2歳児食事、こんなこと困っていませんか?

栄養士のおしごと

こんにちは、0歳~3歳児の福祉施設で管理栄養士をしているakと申します。

毎日、こどもたちのユニークな行動に驚かせてもらいながら、日々、おしいく楽しく、食事ができるように、奮闘しています。

乳幼児の食事について、食べ方、食べる量、好き嫌いに悩みを抱える保護者の方は多くいらっしゃいます。今回はよくいただく質問に回答しました。

好き嫌いがあります。

自分で選

心理学の中に「一貫性の法則」というものがあります。わかりやすくいうと、「自分できめたことはやりぬく」心の動きのことです。

例えば、肉じゃがの中の人参が苦手という場合は、器の中から、人参を別皿に移します。初めから、苦手なもの(にんじん)をのける必要はなありません。

別皿のなかの人参、一かけらを、大きいものと、小さいものに、切り分けます。こどもに、見せながら、「大きい方と小さい方どっちがいい?」と尋ね、こどもに選んでもらいます。

大人の私たちも経験あると思います。例えば、日替わりメニューを決めるときに、A定食もB定食もあって、A定食を選ぶ方が、自分で決めれた方が満足度は高いと思います。

こどもがしぶれば、どんどんかけらを小さくしていきます。

「苦手な味がしないから、ペロっとしてみない?」と、聞いてみるのも良いかと思います。

苦手なものは、スモールステップで、匂いを嗅いでみること、ペロっとなめてみること、一口食べてみること。と段階を追って挑戦していくとを、おすすめします。

挑戦したあとは、「○○できたね!」「もぐもぐできてるね!」と、出来ていることを褒めてあげてほしいと思います。

食べたからと言って、「もう一回」という事はやめておきましょう。ついつい期待して大人は言いがちですが、こどもは充分に頑張ったあとです。

スモールステップを心がけて、焦らずに、行きましょう。

かむ力が弱く、口から出てきてしまいます。

噛む力を、鍛えていきましょう。

乳幼児栄養調査で「噛めない」「噛まない」など、咀嚼に関する問題が指摘されています。また、近年は、やわらかいのが=おいしい。という風潮があり、商品にもやわらかい食べ物が増えているようです。日頃の食事の中で、噛む回数が増えるような食べ物を取り入れて、噛む力を、おいしく、たのしく、噛む力を高めていきましょう。

噛むという動きは、①唇や前歯で取り組み②硬いものは奥歯で運ぶ③奥歯ですりつぶす④舌でひとまとめる⑤喉に送り込みゴックンと飲み込む。という一連の動きをしています。

歯や歯ぐきで噛む力だけではなく、舌やほっぺ、あご、がすべて協調することで、うまく食べれるようになっていきます。              (参考:やさしく学ぶからだの発達 Part2 監修 林万リ)

私の施設では、パイナップルの芯や、りんご、芋けんぴなどを提供しています、甘くておいしいので、こどもたちもよく噛んでくれています。

塩分が高いので1週間で1、2回ほど、提供する回数は控えていますが、うるめ、するめは、こどもたちにとっては「特別なもの」なので、喜んでガシガシ噛んでくれています。

ak
ak

初めは噛めななくても大丈夫!繰り返すことで、噛む力はついてきます。

成長にあった形態にする。

奥歯が生えそろうのは2歳6ヵ月から3歳頃です。奥歯で噛んだりすりつぶしたりすることがまだ難しいのかもしれません。

対応としては、ペラペラな食材(レタス、ほうれん草、わかめ等)は刻む。

ごぼう、れんこん等の繊維が多くいものは、奥歯が生えそろってからでかまわないです。

歯ぐきでつぶせる固さ、歯茎で噛んでまとまりやすい形にするなど、その時の成長に合わせたもので、段階を追って、噛む力を高めていきましょう。

「まだほしい!」食事の時間が終われません。

「おなかさんに聞いてみよう!」

いいアイディアだな、と思った保育士さんとこどもとのやり取りを紹介します。

こどもちゃん
こどもちゃん

まだ、たべた~い!

保育士<br><br><br>
保育士


それじゃあ、○○くんのお腹さんに聞いてみよう!

こどもちゃん
こどもちゃん

おなかさん?

保育士<br>
保育士

○○くんのお腹もういっぱいにだよ~!言ってるよ!!

保育士さんは実際に、こどものお腹に耳をあてながら聞いていました。

食器に書かれているキャラクターや、からだの一部を、擬人化させるテクニックはさすが保育士さんだな~と、毎回プロの技を学ばせてもらっています。

「お腹いたくなっちゃうよ~」「今日の分はもうないよ~」と、なだめたり、空っぽのお皿を見せたりしても、たべた~い!と言ってグズグズ言っていたこどもも、「おなかさん」が言ってるのか、じゃあ「仕方ないか、、。」と、納得していました。こどもも大人も、スムーズに食事が終われるので、おすすめします。

食事に集中できません。

食器を見直してみましょう。

1歳半頃から、自分で食べ始めるお子さんも多いかと思いますが、まだまだ上手に食器を使うことが難しいです。その際に、食器がぐらぐら動いたりすると、集中力も途切れてしまいます。  

食器は食べ物を、すくいやすいものを用意しましょう。

□ フチの高さがあり、すくいやすいものを。

□ ほど良い重さの安定感のあるもの。

□ 少々扱い方が雑でも、割れないしっかりとした作り。


【材質】
強化磁器

【サイズ】
口径:約12.5cm 高さ:約4.2cm 容量:約350cc

強化磁器なので、割れにくく、長く使うことができます。電子レンジ、食洗器が使えます。


【材質】
陶器

【サイズ】
口径:約10cm 高さ:約4.5cm 容量:約150cc  重量:約150g                     

絵柄が底についているので、「ゾウさん見えるかな?」「きれいにすると喜ぶかもよ~」と、食べきることの楽しみの一つになりそうです。食洗器や電子レンジが使えます。

あわてない、あわてない。

1歳半ごろからこどもたちのは、「自分でしたい!」気持ちと、甘えたい気持ちと、いったりきたりしながら過ごす「誇り高き月齢」に突入します。体の使い方も、毎日挑戦と失敗と学習を繰り返しながら、学んでいる真っ最中です。

今すぐ、上手に食べる事や、偏食をなくすことは難しいですが、こどもの成長に合った、「何が苦手なのか?」「どんな援助が必要か?」を考え、工夫し、大人が手助けをすることで、一人で食べることができるようになっていきます。あわてずに、参りましょう。

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