乳幼児福祉施設で管理栄養士をしています。
毎日、慌ただしい中で食事作りを一生懸命しても、お子さんの「いらな~い」「きら~い」。「ウウンッ」っと顔を背けられたり、ソロ~っと机の下に落とされたり、口に入れた物を「ベーーっ」と、、、出してみたり。
心が折れませんか、、、。はじめのうちは育児書に書いてあるように、「大人の対応」を心がけておられるかと思います。しかし毎日、毎回、食事のたびにその状況に合うと、平常心ではいられないのが普通だと思います。そうなると、食事の雰囲気がギスギスに、楽しい空間ではなくなってします。
好き嫌いがあるこどもに対して普段保育士さんがしている、「その手があるのか!」と思った対応を紹介します。
すぐに真似できる方法で、実際、私もこどもの介助に入った際にも食べてくれるようになったり、こどもも大人も良い雰囲気の良いまま食事が進むことが多かったので、試してみる価値があると思います!
初めての食べ物はこわい
乳幼児期の食べ物の好き嫌いは、食べ物が嫌い、苦手というより、「まだ、食べ慣れていないこと」が原因によることも多いです。「新奇性恐怖」と言われていて、人が持つ初めての食べ物に恐怖心をもつ習性のことを言います。
こどもには、初めての物が怖くないこと、おいしいことを伝えていくことが大切だと言われています。
作戦①「一口食べてみない?」
「見ただけで嫌!」ってなる時は、「匂いを嗅ぐ」→「舐めてみる」→「口に入れてみる」のスモールステップで、チャレンジでいいと思います。「体にいいんだよ~」「明日も元気に遊べるんだよ~」と食べ物に対する前向きなイメージも伝えます。
作戦③「びゅーん、口に入ります~」
例えば飛行機が好きなこどもに対しては、食べ物を電車に例えて
「○○号(飛行機)がお口に入りまーす!」
「□□が、今からお口に入りまーす!」と
こどもの心をキラっとさせられるものがあると、気持ちが代わり食べることができる時があります。
作戦④「○○にみてもらう~」
好きなキャラクター、ぬいぐるみがある場合には
「〇〇にみてもらおう~」「○○は見てるんじゃない~」
というと、見てもらえている、というのでがんばる力がでることもあります。
作戦③「自分で選ぶ」
嫌い(苦手)なものを大きいものと小さいものに二つにわけて「どっちにする?」とこどもに聞く。
どちらも嫌い(苦手)なものではあるが、自分で選ぶことで食べさせられている感覚が薄くなって、どっちとも食べる、なんてこともあります。
作戦④家庭菜園をしてみる
小さなプランターで1株からでもいいので、こどもと一緒にに水やりなどのお世話をする。
ミニトマトやキュウリは、初心者でも簡単に育てやすく、もぎたてをかじることもできます、さらにたくさん収穫することができるので、おすすめです。
自分で育て、自分で収穫し、その場で食べる経験は、苦手な物を、たべるきっけにもなります。
声かけに気を付けて
大げさに褒めない
今まで食べることが出来なかったものが急に食べたときの対応は、大げさに褒めずに、「食べたことをそのまま声に出していう」です。大げさに褒めなくても、「○○食べたね!」「○○ペロッと出来たね」と声かけで、こどもには「成長できていることをしっかり見ているからね」と愛情はしっかりと伝わっています。
残さずに食べたときには、「頑張って食べたね」「大きな口を開けれたね」と姿勢や過程を伝えてあげた方が良いでしょう。
食事の時間は「残さずたべることが偉い」「全然食べてなくてダメ」と食べるか、食べられないかで”良い悪いの”判断をする必要はないのです。
もう一口は言わない
苦手なものを食べたこどもはもう充分頑張った後です。
大人は欲張りなので、まだ残っているお皿をみて「もう一口たべる?」と言いがちですが、こどもとの信頼関係がくずれてしまい、次に苦手な食べ物が出てきたときに、「一口だけ」が聞いてくれないことになります。
気長に、、
子どもが苦手な食べ物も、信頼できる大人がおいしそうにたべている姿を見ることで、「この食べ物はおいしい」「安全だ」と思い、食べてみようかなと、思い始めることがあります。焦らずに、1か月に1段ずつのスモールステップ、行ったり戻ったりしながら、少しずつ食べれるものが増えるような取り組みでよいと思います。
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