おいしく、たのしく、かむ力。

栄養士のおしごと

こんにちは、乳幼児の福祉施設で管理栄養士をしているakといいます。

1歳から3歳のお子さんの食事で、「ちゃんと噛めているのかな?」「丸のみしているのでは?」と、食べ方に、心配になられている保護者の方は少なくありません。または、お子さんに「噛んでたべようね」というのは簡単ですが、実際にしてもらうには難しいこともありますよね。

そこで、今回は、こどものたちの噛む力伸ばすヒントをお伝えしたいと思います。

噛む力のメリット。

ご存じの方も多いと思いますが、まずは噛む力のをつけることのメリットを、簡単におさらいしてみましょう。

・消化しやすくなる

・顎が発達する

・虫歯予防

・脳を刺激する

・食べすぎ予防

噛む力が育たないと、奥歯ですりつぶして食でべることが必要な、鶏肉や、葉物野菜や、かたまり肉、骨ごと食べる魚が食べにくくなったり、噛みしめて食材の味がする薄味のものが好まなくなり、高カロリー、高脂肪の食べ物に偏ってしまう傾向になるので、肥満になりやすいと言われています。

さらには、顎の発達不良により、歯並びが悪くなったり、ぽかん口(いつも口が開いている状態のことを言います。)による、鼻づまり、睡眠不良も起こすことがあるようです。

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それでは、噛むちからをつけるためのヒントを紹介していきます。

口まわりの筋肉を鍛えて噛む力をつける!

ずりばい、ハイハイが、噛む力を強くする。

食事の時間中、椅子に座って、両手を上手に使えるように、自分で体をまっすぐ保つ筋力が必要です。

赤ちゃんは生後8か月ごろになると、ずりバイや、はいはいをするようになります。これらの動きは首・肩・腕の筋肉や、握力・体幹を鍛えることができます。

腕に体重を乗せる動きは、同時に顔周りの筋肉にも力を入れることになるので、噛むための力を養うことができます。

施設には、発達がゆっくりな子どもがいます。なかなか、食に興味を持つことも少なく、口に入れた物もすぐに出してくることも多くあります。

しかし、その子に応じた成長の道筋を歩んでいくなかで、ずりバイや、はいはいを、活発にするようになってからは、しっかりと、噛むことが出来るようになり、意欲的によく食べてくれるようになりました。

遊びの中で体幹を鍛える。

よつばい、ハイハイが大事とは言っても「四つ這いをしないで、歩きだした」という事もあると思います。大きくなってから、ハイハイしよう!と言ってもなかなか、こどもはしてくれませんよね。そんなときは遊びの中で、体幹を鍛えることができる動きを取り入れてみましょう。

手押し車や、手押し相撲は、準備するものがなくてもすることができます、今回は手押し車を紹介します。

                                                画像引用;みんなの教育技術
  1. こどもは床に手をついて四つん這いの姿勢になる
  2. 大人はこどもの足首をもって持ち上げる
  3. こどもは自分の力で一歩ずつ前へ進む。

周囲を片付けてから、床に危険がないところで行ってくださいね。けがのないように。初めてするときは、手押しぐるまの姿勢、やり方1,2,の練習して、慣れてきたら、一歩ずつ進むこともしてみてください。

もし、体幹が緩いようなら、足首ではなく、腰のあたりをもって支えるようにして行ってください。

こどもは、手をしっかり開いて、指先までしっかりと床に着けて行ってください。

危なくないように、ジョイントマットなどを弾いて、怪我のないように行ってくださいね。

食べる姿勢が大事。

しっかりと、噛んで食べるには、姿勢を安定させることが大切です。

例えば、飲食店などの椅子が座り心地が悪いなと感じたことがありませんか?実は、売り上げを伸ばすためにわざと、居心地が悪く設定しているところもあるそうです。

居心地の悪さは、テーブルとイスの高さがあっていないことが原因です。

正しい姿勢のポイントは3つです。

・足の底面はしっかりと床につく。

・机の高さは肘が直角。

・机とお腹の間がこぶし1個分。

足元が不安だと、噛む力が20%、噛む回数が1/4 に少なくなるという研究もあり、

足の裏が床に付くことで、足で踏ん張ることができ、体に力が入り、噛むことが出来るようになります。

足元がしっかりしていそうな、椅子をピックアップしました。足元がしっかりしていることに注目して、選んでいただけるとよいかと思います。

まだ足が届かない場合は、足板や、床に、タオルなどを重ねて高さ調整することで、心地よく食べることが出来るようになります。

「噛まない」のではなく「噛めない」ことも。

1歳6か月ごろのこどもの、最初の奥歯が上下で噛みあうようになりますが、まだ、噛む面が小さいために、すりつぶしがうまくできません。なので、食べにくい食品も多いです。

「噛まない」のではなく、奥歯が未発達の状態では「噛めない」こともあります。

例えば、トマトなどは皮が残って食べにいので、皮むきをしたり、レタスやわかめは小さく刻む。とくに、キノコ類は噛んでも小さくなりにくく食べにくいので、苦手なお子さんが多い食材でもあります。ちいさく切ることや、とろみをつけることで、食べやすくなります。

口の使い方、噛む力の成長状況をみながら、食事の形態は工夫して、成長に合わせたそしゃくできるものを、提供することも大事なことです。

なぜ?自分で食べるのに口から出してくる。

また、1歳~2歳児は自分で食べる!と言って、自分で食具を使って食べることをしますが、少し口にいれては、出してくるという行動をよくします。

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自分で食べるっていったのに、、oh..no….

せっかく作ったのに、、と、困った行動ですよね。

考えられることしては、

・食べてみたけど、思った感触ではなかった。

・一口の量が多すぎている。

・口の処理が追い付いていない、咀嚼する力が弱い。

小さな子どもは、食べ物の見た目で、どんな食感の食べ物かを、判断することはまだ難しいです。そこで、口にいれて、確認しています。

口から出すことは、こどもが考えていた、「味」や「感触」では、なかったのかもしれません。

自分でスプーンやフォークが使えるようになっても、まだ一口量が調節することが難しいので、口に入れてみものの、こどもの小さい口では処理しきれない量だったのかもしれません。

他には、食べにくい食材であったのかもしれません。例えば、きのこは、かんでもかんでも、繊維があるので小さくすることはありません、また、りんごなどは噛んでいくうちにバラバラになり、口の中まとめることが難しい食材でもあります。

少量ずつ口に入れてみると、食べきれることもあります。

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かみ、かみ、かみ

大人も一緒に、噛む真似をしてみたり、こどもが噛んでいることを応援してあげてほしいと思います。

おわり

そしゃく力というと、「するめ」「うるめ」「硬いものを食べる」とことが注目されますが、噛むための、体幹の安定させるという、土台作りも、大切だとということを、知ってもらえる機会になると、うれしいです。

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